フロッププレイが劇的に上手くなるボードテクスチャの見方

ボードの文脈の読み方、ボードテクスチャの見方について解説したいと思います。

ボードテクスチャとは

ボードテクスチャとは、場に出ているカード、すなわちボードが自分と相手のどちらに有利なのか、ボードの内容の構成と自分と相手のハンドレンジに照らして評価した結果になります。

ボードテクスチャに基づいてベットするのかしないのか、ベットする場合どの程度の額が適切なのかを判断することになります。

今回は、ボードテクスチャの入門として、フロップのテクスチャの読み方を、ボタンがレイズしてBBがコールした場合に限って解説したいと思います。

今日から使えるボードテクスチャを読む法則

後半には、本邦初公開の誰でも今日から使えるボードテクスチャを読む法則を紹介します。

既に誰かが発見していたかもしれませんが、少なくとも誰でも知っているようなレベルで流布していませんので、ぜひ最後までご覧ください。

この投稿を見ることで、フロップの有利不利の判断、特にコンティニュエーションベットを打つべきかチェックすべきかの判断、コンティニュエーションベットにコールすべきかどうかの判断がよりうまくできるようになると思います。

フロップのプレイに悩みのある初心者から中級者の方に役立つ内容ですので、

よろしくお願いいたします。

基本原則

フロップのテクスチャによって、自分と相手の有利不利が変わる、すなわち、自分と相手のエクイティが変わる結果、コンティニュエーションベットのサイズと頻度に影響が及びます。

基本的な原則は、バリューベットのときにも説明しましたが、有利なボードではベットするというものです。

すなわち、バリューが取れる場合は、バリューベットを打ち、ブラフで降ろせる場合は、ブラフベットを打つことになります。

有利なボードでは打つと言われても、何が有利なボードか分からないとなるでしょう。

有利なフロップというのは、エクイティの高いフロップのことになります。

このエクイティという概念、特にレンジのエクイティという概念は奥深い概念なので、またハンドレンジについて説明するときに説明します。

簡単にいうと、エクイティは、その時点でオールインした場合の勝率のことです。ハンドのエクイティについては、AhKc対7d7cの場合でフロップがAs 8d 2cだった場合は、AKが91.21%、77が8.79%となります。なので、AKの方が圧倒的に有利なフロップと言えます。

では次の疑問として、エクイティが高いフロップではベットというけれど、じゃあ、どのようなフロップがエクイティが高いの?となるでしょう。

まず、レンジアドバンテージ、特にナッツアドバンテージに注目する必要があります。どちらのレンジの方がより強いハンドを作っている可能性があるか、特にどちらのレンジにナッツが入っているかに注目しなければなりません。レンジ全体の優位性のことをレンジアドバンテージといい、ナッツがレンジに入っていることによる優位性のことをナッツアドバンテージと言います。

具体的に、どちらのレンジに強いハンドが含まれているかを評価するのに、別エントリで説明したコンビナトリクスが使えます。相手のレンジが強い場合には、コールやxrをされるので、コンティニュエーションベットの頻度、特にブラフの頻度が変わることになります。

フロップのポイントとしては、まずハイカードが何かです。A~Tのカードがある方がレイズ側に有利となります。

次に分かりやすい順に説明していくと、フロップのカード2枚でペアができているかどうかです。ペアのできているフロップ、いわゆるペアボードもヒットするコンボが減るので一般的にレイズ側が有利となります。

さらに、フロップのスーツにも注目する必要があります。すべて同じスートのモノトーンフロップか、フラッシュドローのできる2枚だけ同じスートのツートーンか、3枚ともばらばらのスートのレインボーかでエクイティが変わります。

最後にストレートやストレートドローができうるコネクティッドフロップかどうかです。コネクトしていたとしてもカードの数字が高いか低いかでもまたエクイティが異なります。

注意点

ここで1点注意していただきたいのは、レンジがこうでフロップがこうだったらこうプレイしておけばよいというほどポーカーは簡単ではないということで。結局は相手によります。

でもここで終わらすのは不親切ですよね。

相手によると言ってもじゃあ相手の何によるのかって思いますよね。

より詳細にいうと、相手のレンジ、相手のアクションの選択肢、相手のベット額の選択肢などに大きく依存します。

相手のレンジがどう変わればどうなるか、相手のアクションの選択肢がどう変わればどう変わるのかというのは、非常に複雑で難しいものになります。

いわゆるアジャストとかエクスプロイトと呼ばれるもので、これについても、また別途説明します。非常に高度なものなので、作るとしてもかなり後で作ることになります。

で、これで終わったら意味がないので、

極めてスタンダードでバランスの取れた相手に対して、プレイするときの一般的な傾向をご紹介したいと思います。

こちらがボタンから40%のレンジでオープンして、BBがスタンダードなレンジ19.46%でコールした場合を例にして、具体的な着眼点をご説明します。

ペアボード

コンビナトリクスのときも説明しましたが、こちらにマッチしているハンドも少ないけど、相手にマッチしているハンドも少ないので、プリフロップのレンジの強さがそのままフロップでも引き継がれます。

どちらも当たってない場合は、ハイペアはそのまま強いですし、このようなQQ3だと、相手が3にヒットしていたとしてもミドルペアにすら負けているので、コールしにくくなります。

よって、このようにT以上のハイカードまたは4以下の小さな数字で構成されるペアボードは、BBのレンジもポーラライズしている、すなわち、

どんなベットでも降りない強いハンドか、どんな小さなベットでもコールできないような弱いハンドに両極化されているので、バリューでもブラフでも大きな額を打つ必要はなくなります。

よって、小さなコンティニュエーションベットを打つことが妥当となります。

QQ3だけでなく442のようなフロップも同様です。

一方で885のようなミドルに集中しているペアボード、具体的には、5~9のペアボードは普通のCBを打つことが妥当です。ブラフに降りるハンドは引き続き多いですが、そこそこ相手の方にマッチしている可能性も高くなります。

いずれにしても、ペアボードは、相手にマッチするコンボが少ないので、ほとんどチェックバックせず、CBを打つのが妥当となります。

この方針が相手にばれているとxrブラフされがちになりますが、その場合は、5-9のときにはチェックバックも混ぜるなどしてアジャストするとよいです。

スート

フラッシュドローがありうるツートーンのフロップでは、ボタン側に上位のフラッシュドローが多く、ハイカードがある場合は、ペアにもまだかなりのエクイティがあるので、通常のコンティニュエーションベットが打てます。

でも、A~Tのハイカードが2枚同一スートの場合は、こちらのフラドロがブロックされるので、チェックか、バランスを取るための大きなコンティニュエーションベットを打つことが優勢になります。

フロップ3枚が同じスートのモノトーンフロップのうち

T以上のカード2枚が入っているものは、こちらのレンジからフラッシュドローのコンボが著しく減るのでチェック、またAが入っている場合は1枚でもチェックとなります。

それ以外のモノトーンは、先ほどと同様コールできるコンボがかなり少なく、BB側のコールレンジが相当強くなる一方で、弱い場合はどんな小さなベットにもコールできないので、小さなCBを打つことになります。

コネクティッド

ストレートが完成するフロップは、相手に有利なコンボが多くバリューターゲットもブラフターゲットも少ないので、基本的にチェック優勢です。

例外としては、AKでストレートができるQJTだけはレンジアドバンテージもあるのでCBを打つことになります。

これまでフロップがどちらが有利かを説明してきましたが、そもそも簡略化されたもので、そのまま適用するのは難しいものにしてあるにもかかわらず、

それでも既に十分複雑で、一朝一夕には身につかないと思います。

そこで、本邦初公開です。

この法則を発見したときに正直震えました。

今回の説明したやや複雑なテクスチャの見方は、何度も見返してもらえればと思いますが、身につけるまでの間、

すぐに明日にでも使えるフロップの見分け方を、このエントリの準備中に発見しましたので、紹介します。

他の人が同じようなことを言っていたら初公開にはなりませんが、

少なくとも私や私の友人数名に確認しても聞いたことがないと言っていたので、

広く流布はしていないと思います。

それは、

「JTs、88が有利なフロップはコール側(BB)に有利」

というものです。

こちらがボタンでレイズをして、BBにコールされた場合のフロップが、

JTsか88にマッチしている場合には、コール側(BB)のエクイティが高い傾向にあります。

もちろんそもそもレンジが弱くポジションもないのでコール側のエクイティがレイズ側のエクイティより高くなるフロップは全フロップ1755※のうち14しかないのですが、それもすべて、この法則に当てはまっています。

※全フロップは52C3=22100通りありますが、2h3h4s, 2s3s4d, 2d3d4s等はすべて同じ性質のフロップで別のものとしてカウントする必要はないので、同じものとみなすと、1755通りのフロップがあることになります。

目算なので間違いがあるかもしれませんが、

1755の全フロップのエクイティをPioSOLVERの集合分析で調べたところ、BBのエクイティ上位500フロップのうち78.0%がこの法則でカバーされます。

また、エクイティの低い下位500フロップでは、15.6%しかこの法則に当てはまるフロップはありません。

これくらいのカバー率があれば、初心者の方であれば、

BB側に有利なフロップなのかそうでないのかを判定するのに、十分使える法則だと思います。

JTsか88がマッチしているフロップは、コール側が有利。

誰でも覚えられますよね?

JTsにも88にもマッチしていないフロップだなと思ったらコンティニュエーションベットを打てる、これはJTsや88にマッチしているフロップで相手に有利なのでブラフを控えようという風に活用できます。

明日にでもすぐに使える法則だと思うので、ぜひ活用してください。

ただし、これは初歩の初歩の不完全な法則なので、ぜひそのあとスノーウィトレーニングや実戦を重ねたり、PioSOLVERの集合分析を使って、ボードテクスチャの読み方を洗練させていってもらえればと思います。

まとめ

以上ボードテクスチャの見方について、ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

フロップの場面に限って説明しましたが、それでもかなり長くなってしまいましたね。

前回ご説明したコンビナトリクスと併せることで、これまでなんとなくでしていたベットやチェックを洗練させることのできる概念だと思います。簡略化しましたがそれでも十分長くて複雑なものになってしまいましたので、何回もこの投稿を読んでをぜひ習得してください。それまでは、即効性のあるJTs・88の法則をぜひご活用ください。

コメント